サンライズ瀬戸。6時頃にぱちっと目が覚めた。一瞬ここはどこだ?と思い、サンライズだ!と思って嬉しくなる。
窓を開けると、そこは、田園地帯だった。
どこだか知らないがとても良いぞ!と思いながらトイレに向かい、水を飲み飲み、備えつけられたコンセントで充電しておいたスマホをいじる。
そういや、今日なにするんだっけ。
おそろしくなんにも計画がない。
とりあえずいろんなうどん食べたいよな、ということでうどん屋を調べた。
そうこうしているうちに外の景色に海がまじりはじめる。
とても綺麗だ。ということはそろそろうどん県も近づいてきているのかもしれない。
最初にどのうどん屋さんに行くべきか、決めなければ。調べてみると、うどん屋さんは混むところが多そうで、時間も早く終わるところが多そう、ということがわかった。
それで1番混みそうなうどん屋さんに最初に行っておくことにした。開店時間は朝の8時半。お腹が空いてきた。
そうこうしているうちにサンライズが瀬戸大橋を通りはじめた。
おおおおおおお!!??!こ、これは!!!
明けはじめの空色と瀬戸内海の青色が綺麗だ。
海に浮かぶ島の形もとても良い。
列車は淡々と進み、景色はするすると動いていく。サンライズ瀬戸、良い!!!!と改めてしみじみ思った。朝から良いものをみた。
今日、良い日になりそう!なんてジブリの主人公並に健やかに思いながら降りる準備をはじめる。
もともと高松駅までの切符を買っていたが途中で降りた方が良さそうなのだ。
坂出という駅で降りた。電車の発車メロディがたぶん瀬戸の花嫁。なんだか耳に残る曲だなと思いながら鴨川という駅に向かう。
鴨川は無人駅。最初のうどんまでは徒歩20分とのこと。川沿いを歩く。1時間890円の潰れかけのラブホなどを眺めつつずんずんと向かう。
うどん県に行くという話をすると、車で行かなきゃきつくない?という反応を貰うことが多かった。
なぜなのか。
まさか山の上とかじゃないよな、と思いながらずんずん歩く。と。人がたくさんいる場所についた。徒歩10分くらいで着いたような気がする。
讃岐うどん がもう
https://tabelog.com/kagawa/A3702/A370201/37000019/
8時頃に到着したのだが既に10数名が並んでいた。先頭は常連の地元のおじいちゃんおばあちゃんたちのようだ。彼らのおしゃべりによると、ここは、うどんもそうだが、おつゆが美味しいらしい。
8時半開店らしいのだが8時15分頃には開店したように思う。東京ディズニーランドみたい。
常連のおじいちゃんたちが、あったかいかけ、中!と言っていたので、私もそれにしようと準備する。
店内に席はほとんどなく、店の前にたくさんおかれたベンチでうどんを食べるスタイルのようだ。晴れていてよかった。
中に入ると大きな鍋でうどんを茹でるおじいちゃんがいて、無言で目を向けられる。あったかいかけ、中!というとどんぶりに入ったほかほかつるつるのうどんを渡された。すでに、見るからに美味しそうである。
会計するところの横に天ぷらや卵が置いてあってそこで好きなものを取るようだ。海老天とあげと温泉卵を丼にいれ、会計を済ませてから、みようみまねで、天かすや青葱、そしてあついつゆをかける。後はいそいそとお店の外へ。
近くのベンチに座って、改めて自分のうどんと向き合う。
いやはや、やはり見るからに美味しそうである。
ずるずる啜る。うわあ、美味しい。なんだこれは。という、うどんだった。甘いのだなんか。うまいのだなんか。優しいつゆの味。やわらかなだし。しみいる。温泉卵とねぎと絡めると止まらなかった。甘いあげと食べても美味しい。というか、うどんてこんなにつるつるでしたっけ?もちもちなのでしたっけ?
そして、中、というのは二玉ということらしいのだが、気づいたらするりと食べ終わっていた。
おそろしきうどん県のうどん。
満足感が半端ない。なんか朝からとても美味しいものを食べた。良いものを食べた。そういう幸福感でいっぱいだった。
器を戻して店を出ると行列はぐんぐん伸びていた。広大な駐車場も埋まりかけている。
やはり美味しいうどんのもとに人は集うのだなぁと思いつつ、これからどうしようかと歩く。
なんだか良い神社があったのでお参りをした。
さて、2軒目に行きたいうどん屋さんは昼の11時半から1時間しかうどんが食べられないそうだ。さすがに時間が空きすぎている。
うどん屋さんの近くになにか面白そうなところはないだろうか、と調べると、不思議な場所をみつけてしまった。
醤油画資料館と四谷シモン人形館である。
おそるおそる向かったのだが、とても興味深い場所だったので、ぜひおすすめしたい。
醤油画資料館と人形館は隣同士で、醤油画資料館のチケットは人形館でお買い求めくださいとのこと。なんかよくわからんので、とりあえず向かうことにした。
時間が早すぎたのだろうか。シャッターのしまりすぎている商店街に突然現る、重要文化財的な佇まいの建物。
ひええ、ここが醤油画資料館のようだ。だが受付はここではないらしい。案内に沿って右脇の道を入ると
この門構えですよ。こここここであってる?となりながらも迷い込みました。この不思議な空間に。
本当にここか?
というか今日やってる?
人形館の扉の前で躊躇っていると、どうぞお入りになって〜と女性が扉を開いてくれた。
そして扉を開くとそこには大きな男性の人形がいらっしゃったのでした…。