3月某日

6時半起床。脱職の朝は割と早い。

朝から二日酔いで死にそうになりながら受けた面接の結果がきて、まあもちろん落とされたんだけど、フィードバックがぼろくそで少し落ち込んだ。

なんか落とされると自分の価値とか今までを否定された気持ちになるよね。ただ縁がなかっただけで、私の価値も今までも何にも変わらないのにね。

しかし声が小さいとかさー。はじめていわれた。吐きそうだったからなー。そもそも二日酔いというコンディションで挑んだ私も悪かったんだけどー。まあ私も特にあなたとは働きたくないなっと思ったのでお互いにとって良かったですね、さよならって感じ。

 

からの3社の面接を捌いたんだから、本日はよく頑張ったと思う。スケジュール調整を他人に任せるとこういう事になるんだな。

 

面接って基本的には今までやってきたことと同じで提案するものが自分に置き換わっただけ。向こうが何をなぜ求めてるのかきいて、こちらからは何をどのくらいいつまでに提供できるのかみたいな事を話す。それだけなんだけど難しいよね。そもそも私が提供できるものとは。

 

ばたばたして昼ごはんを食べ損ね、気付いたら出かける時間になってた。

夜は上野で仮面舞踏会を聴く予定で、その前にお花見をしようも思っていたのに面接が長引いたので断念した。早く終わらせればよかった。

 

仮面舞踏会はいわゆる演奏会形式での公演でオペラなのに舞台の上にはどーんとオケがのり椅子から立ち上がったり座ったりすることで歌手達は入退場をあらわす。

個人的にはオペラを演奏会形式にしてまで公演することの意味がわからないんだけど、なぜか毎年上野でやっている。確か昔はよりによってワーグナーとかもやっちゃってて、なかなかチャレンジャーだなと思った。総合芸術とは。

しかしながら演奏会形式にも良いところがある。

頭の中で演出を想像できるし、音楽が描写する情景や心情、効果を存分に楽しめるところ。

今回も魔女が魔王を召喚するところ(?!)がとてもどきどきした。

 

主人公は親友の妻を愛してしまっている男で、親友に刺されて殺される。仮面舞踏会という怪しく享楽的な場所で起こったスキャンダラスな実話を基に作られたものだ。

こういうスキャンダルをすぐ作品にするところ、歌舞伎とか人形浄瑠璃に通ずるものがあるなー。ほんと不倫とか敵討ちとか許されない愛みたいなもの扱いがちなのは万国共通なんだなと思った。

ミナサンオスキネー。

ちなみに主人公が愛している親友の妻も、密かに主人公のことを愛している設定である。

主人公がその事に気付いて2人が想いを確かめあっちゃうわけだが浮気っでどこからが浮気なんだろなと。裏切りってどこからが裏切りなんだろうなと。

主人公は最期に「お前を傷付けたわけじゃないし君の妻は純潔だし私は君たちを遠いところに任務で追いやることでこの気持ちを鎮めるつもりだったんだー」とか言って死に絶えたけど、はあ?って感じだよねー。だって現に親友は傷付いているし、純潔は守ったとて心は繋がってしまってるし、一時的に距離を作ったとしても、どこかで会ったらそれこそお前ら運命だ!!とか勝手に盛り上がってどうせくっつくんだろうと。目に見えてますよ。だから主人公はここで死んでよかったんじゃないかと思いました。え、長期的にみればハッピーエンドなのでは?!

 

ともあれ本当に音楽が素晴らしかったな。リッカルド・ムーティが指揮をしていてイタリアの風がびゅんびゅん吹いていた。

 

あと仮面舞踏会という日本語訳がいいなと思った。そのまんまなんだけど、この言葉は日本語で見たほうがどきどきする。

良い気分転換になったのだった。