ロンドン旅行記1日目
ずっと行きたいなと思っていたロンドンに思い立って行ってきた。
そしてこれははじめての海外ひとり旅である。
せっかくなので旅行記を残そうと思う。
さて今回そもそもパスポートの期限が切れていたのでまず申請するところからはじまった。
海外なんて6年前にパリに行った以来である。
コロナもあったしね。
せっかくなので久しぶりに化粧をし証明写真の台に座る。もうその時点でおそろしく唇が赤かった。加えてせっかくなのでとプリクラのノリで美白美肌効果もつけて撮影に臨んだら、パスポートセンターの人に瞳に光が入り過ぎちゃってるから自動ゲートにうまく認識されないかもしれません、と言われてしまった。
まあいいか、とその時はさらりと流し、航空券を購入。それからホテルを予約。Wi-Fiのレンタルも予約。もちろん保険にも入っておいた。
いやーしかしわかっちゃあいたがポンドがとってもとってもとっても高くて換算するたびに手が震えたわ!航空券とホテルは特にね!
こんな時にロンドンに行くなんてしかもお金のない脱職中に馬鹿やんと思いつつも、今しかこの季節のロンドンになんて行けないはず!と、えいやっと強行。
結果行けて本当によかったと思う。
飛行機は行きも帰りもBritish Airways 直行便でホテルはEARL'S COURT徒歩3分。
この旅行で叶えたい事は以下の通り。
・アン・ブーリンゆかりの場所(憧れのお城ヒーバー城とハンプトンコートパレス、ロンドン塔)をたずねる
・パブでビールを飲む
・ジントニックを飲む
・パディントンに会う
予定は自分で組み立てた。団体行動が嫌いなのでツアーは無理なのだ。
かといって英語はろくすっぽできないしコミュニケーション能力もない。
そして脱職中の身である。
波乱の予感しかない。
あらゆる面で不安すぎたので色々な下調べを行い、いざ出発の日を迎えた。
朝8時頃の便だったので直通のバスで向かう。よく九州出張の時乗ってたやつだ。なつかしー。
羽田空港では特に問題もなくすいすいと手続きが進み、本当に海外に行けるんだなーと感動。コロナの間、もう二度と行けないんじゃないかなんて悲観的なことを考えていたから、尚更嬉しい。
搭乗口に向かうとまわりから殆ど日本語がきこえてこなくなっていて、機内ではもっときこえなくなっていった。
一応アナウンスは日本語で入りはしたが搭乗員の方々も当たり前に英語である。ぴゃー。
……これはもう、飲むしかない。
朝の9時から雲の上で飲むビールは非常に美味しかった。
機内食はチキン。
到着間際にもチキン。
後ろの方の席だったので私にポークかチキンかみたいな選択肢はなかったが、どれもなかなか美味しかった。
14時間のフライトだった。
夕方の到着だったのでここで寝たら夜眠れなくなるぞと思いあまり寝ないで過ごす。
ブリティッシュエアウェイズの搭乗員さんたちはなんか妙に迫力があってすごかった。
機内食の時間になったらバーンって問答無用でリクライニングシート戻すし
アイスコーヒー下さいって言った人にはイギリスの航空会社なのでアイスコーヒーはありません!って言い放ってたし(リスニングにあまり自信がない)
着陸時にはイヤホン繋いでる人のコードを片っ端からぶちぶち引っこ抜いて回ってた。
私は日本の搭乗員さんの丁寧で親切すぎる感じがかえって苦手なので、逆に好ましく思ってしまった。
さてそんなこんなでヒースロー空港に着陸す。
もう完全に英語しか聞こえてこない。そしておそろしく眠い。日本時間じゃもう夜中だ。
とりあえず入国審査をば。歩いて歩いて辿り着いた先には沢山の人がいた。
日本は自動ゲートで認証できる国なのでそっちに並んだ。これパスポートをセットして顔認証して貰うだけなんだけど、全然ゲート開かず。
これがパスポートセンターの人が懸念していたやつねと天を仰ぐと、じゃあこっちに並んでと別の列に誘導される。
なんだろうこれどうすんだろ私…美白美肌効果なんてやめときゃよかった…などぐるぐる考えながら並び、しばらくするとパディントンに出てくるバード夫人(掃除機マニアでお酒強いおばあちゃん)に似たスタッフに呼ばれる。
怖い顔であなたなんでここにきたの?ときかれる。えーと自動ゲート試したんだけどうまくいかなくて…と説明すると怪訝そうな顔をされてしまった。わーお。どうやら私の英語がくそすぎて伝わらないようだと身振り手振りをつけて再度伝えると、バード夫人はちょっと笑って、違う違う、この国に来た理由、と言って……はじめてピンときた。
あ!!これ!!普通に入国審査受けてるのでは?!さいとしーいんぐの出番なのでは!!??
はずかすいー。
その後は滞在日数、いつ帰るか、滞在先などをきかれて終わり。ふいー。バード夫人は最後楽しんでねと言ってくれて比較的優しかった。
いやーなんとか無事入国出来た。ちょっと安心しながら預けた荷物を迎えに行く。も。待てども待てども出てこず。まじかー。行方不明を疑いかけた頃やっと出てきて、やれやれとスーツケースゴロゴロしながら歩き出す。
ヒースロー空港からホテルまでは地下鉄で行く予定で、ひとまずオイスターカードを手に入れようと機械の前に到着した。
オイスターカードは地下鉄もバスも船も乗れるすごく便利なカードで日本のSuicaとかPASMOみたいなやつらしい。
なんで牡蠣?って感じだが、シェイクスピアの劇の台詞から出来た慣用句The world is your oyster.からきているらしい。名前通り、思うがままにロンドンを観光するためには必要なアイテムに違いない。
オイスターを発行したりチャージしたりする機械は日本語対応もされているらしいということは事前に調べてきたので、日本語なら余裕よと画面を軽快にタッチする。も。ここでまた躓く。
クレジットカードが認証されないのだ。
持っているカードを全て試すもびざもますたーもじえーしーびーもだめ。ががーん。使えるはずなのになぜ!!
まじで?!これからどうやって生きていくの私?!
イギリスはカード社会だとのことだったので手持ちのポンドは殆どないし、もうすでに全然The world is your oysterどころではなく、To be, or not to beなテンション。初っ端からうまくいかないことばかりすぎやしませんか。
とりあえず機械をかえてみようと別の機械の前に立ちさっき撥ね付けられたマスターカードを挿入する。と拍子抜けするほど普通に発行できた。
よかったー!!!!よかったー!!!!あーもーーーよかったー!!!!
たかだかオイスターカードを発行できただけでとても幸せな気持ちになれた。気を取り直し引き締めて地下鉄へ。
地下鉄のロゴがとても可愛い。オイスターカードもレトロでなんか可愛いよね。
地下鉄にはじめて乗るのはなかなかに緊張した。
スリやひったくりが多いと聞いていたのでポシェットの上からパーカーを着て前を閉める。スマホも首から下げて同様にパーカーの中へ。
みんなおしゃべりでなんかめっちゃ話してるし色んな国の言葉が聞こえてくる。
何言ってるかわからないっていいわーと思いながら目を上げると、おそろしい広告を見つけ8度見くらいした。フェイクだよね……????(フェイクって書いてあった)
そうこうしているうちに目的の駅へ着く。
EARL'S COURT駅のなにがよかったかって立地的にも機能的にも非常に便利な駅だったこと。
2線使える。空港から1本。主要な観光名所へ30分前後で行ける。エレベーターがある。スロープがある。特にスーツケースがある時は本当に助かった。
駅を出て持ち前の方向音痴を遺憾なく発揮し迷いかけるもなんとかホテルへ到着。徒歩3分で迷えるなんてもはや才能だと思う。この時気付いたんだけどロンドンにも通りひとつひとつに名前があるのね。これは本当にありがたいこと。
そんなこんなでチェックイン。問題なくできた。カードキーを受け取りながら、受付のお姉さんめちゃくちゃ可愛いなと思っていると目があった瞬間怒涛の勢いで英語を浴びせかけられる。ひいー。
ゆっくりお願いしますと頼むとにこにこしながらもう一度説明してくれた。
朝食の開始時間が平日と土日で違うとか、ベッドサイドのライトのボタンは下にあるとか、ドライヤーはサイドテーブルの下にあるとか、そういう事を言っていたようである(ほんとうかよ)
部屋に着くなりわあーっとベッドにダイブした。
ただ飛行機に乗ってホテルまできただけなのに、なかなか大変だったのだがー?!これから本当にやっていけるのかー?!
という不安と
でもなんとかなったやーん?!割と英語わかったし通じたような気がするー?!頑張ったやん!!
という達成感でまぜこぜになる。
ごろんごろんとし暫くするとお腹が空いてきた。
19時近いがまだまだ明るい。散歩がてら近くのスーパーへ行くことにした。
ただの道でもなんだかとても素敵なのはなぜだろう。建物も木の感じも。歩いているだけで楽しい。
パブもみつけた。中をみると常連客で賑わっている。今日はさすがに行く元気はないわ〜と思いつつ店の名前をチェック。
歩きながら歩行者用の信号機は押すんだなーとか、みんな信号めっちゃ無視して渡るなーとか、道で歩く時誰かと電話をしていなければならないという条例でもあるのかと思うほどみんな電話してんなーとか、思いながら歩く。
スーパーはホテルの近くにあってめちゃくちゃ広い。海外のスーパーって面白いよね。
とりあえず食べ物とビールを手に取りレジへ。
レジではパスポート見せてって言われて戸惑った。
パスポートを見せたらへーえ?みたいな感じでマダムに瞬きをされる。そうなんですーもう私30歳なんですマダム。ビールくらい飲ませておくれマダム。
ホテルにレンジがあったのでレンチンできるものを買った。謎のパスタは普通にめちゃくちゃ美味しかった。
21時くらいまで外は明るく。しかし私の体力や気力は限界を迎えていたようでシャワーを浴びてご飯を食べてすぐ寝た。